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アダプタープレート1

2013年1月17日

   
これは4爪チャックです。
このチャックを旋盤に取付けるためのアダプタープレートを作りました。
チャックには取付け穴が4箇所あります。
一方、旋盤側は穴が3箇所です。
直接取付ける事はできません。
間にアダプタープレートを挟んで穴位置の違いを解決する必要があります。

インロー(中心合わせのためのはめ合い段差)があります。
プレートの表と裏の両面にインロー加工が必要です。両面のインローの中心を正確に合わせて加工する必要があります。
それがこの工作のポイントです。
このロータリーテーブルを利用してアダプタプレートのインロー部を加工します。
プレートは加工途中でインロー部の現物合わせのため何度も外します。
再度取付けの際、センターがずれないようにする必要があります。
中心合わせのためにこの材料を使います。
これは旋盤の主軸に挿して使うMT3テーパーの芯押しセンターです。
MT3テーパー部分がロータリーテーブルの穴に合うのでセンター位置決め用シャフトとして利用します。
黒い部分はフラットなのでプレートの中心に挿す部分として使います。
面が粗いので旋盤で表面を仕上げる必要があります。
ロータリーテーブルに挿して見たら途中でつかえてぐらぐらしていました。
テーパーの先端から15mm付近が穴の細くなった部分に当たっているようです。
仕方がないのでテーパーの先端から30mm、非テーパーにしました。
とがった方も非テーパー部分の位置を低くするため20mm、非テーパーにしました。
ロータリーテーブルに挿してみました。
ぐらぐらしません。
上の非テーパー部分も低くなりました。
ワークの下に10mm程の角材を敷けばちょうどいい高さです。
準備完了。
材料としてこのプレートを用意しました。
材質はSS400、サイズは、100×210×16です。 (購入価格1800円)
2枚分のサイズになっています。
半分に切断して旋盤用とロータリーテーブル用の2種類を作ります。
まず材料の切り出しです。
バンドソーを使って半分に切断します。
腰を悪くするといやなので電動ホイストを使ってロータリーテーブル(30Kg)をフライスのテーブルに載せました。
ちなみに電動ホイストはフライス盤のヘッドを外す時のため常時備え付けてあります。
ロータリーテーブルをフライス盤のテーブルに固定しました。
ロータリーテーブルに芯押しセンター挿します。
フライス盤の主軸にはセンタードリルを取付けます。
両者のセンターを合わます。
正確に合わせなければ、精度が悪くなるので慎重に合わせます。
プレートの中心をフライス盤の主軸の中心に合わせます。
ロータリーテーブルの割り出し機能(正確な角度で回転させる機能)とフライス盤のテーブル移動機能を利用して取付け穴のセンターを決めました。
穴位置にはセンタードリルで小さい穴を明けました。
中心部はフライスのテーブルを中心からずらしてロータリーテーブルを回転させることで穴を広げます。
現物合わせでぴったりになるように明けました。
ロータリーテーブルに芯押しセンターを挿しました。
プレートを芯押しセンターに挿して固定し、
インロー部のざぐり加工をしました。
現物合わせのため何度も外していますが芯押しセンターのおかげでセンターのズレは発生しません。

外周をエンドミルで削りました。
旋盤に取付けるネジのタップ穴、3個を明けました。
ネジを付けて、
旋盤のフランジに取付けてみました。
旋盤で外周面を削って見ました。
削りが不足しているので平面部分が残っています。
もう少し削ります。
旋盤で凸のインロー加工を実施しました。
ロータリーテーブルでなく、そのまま旋盤を使うことで表と裏のインローの中心が正確に合います。
後は4爪チャックの取り付け穴4個のみです。
その穴のサイズはφ8.5ですが6角穴付きボルトの頭を沈めるためのφ13深さ9mmの加工も必要です。
ドリル付き沈めフライスという工具を使えば簡単なのですが持ってないのでロータリーテーブルを使って穴を広げます。
加工時の様子(動画)
4爪チャック取付用の沈め穴を明けました。
1箇所失敗して大きくなってしまいました。
最初のセンター合わせを忘れたようです。
シフト量が多い状態でロータリーテーブルを回転させたので大きな穴になりました。
4爪チャックに取付けて旋盤のフランジに取付けるネジを付けました。
旋盤に固定しようとしたらなぜかインロー部が入りません。
原因が分かりました。
ボルトの頭がインローのざぐりに食い込んでいます。
ボルトの頭を小さく削る必要があります。
完成したと思ったのに・・・・・。
六角穴付きボルトを削らないで何か方法がないか考えました。
ネジを「十字穴付きなべ子ねじ」に変えてみました。
頭の高さが低いし先が丸くなっているのでかろうじてインロー部から逃げる事ができました。
ぴったり納まりました。
やったー! 完成です。
これで4爪チャックが使用可能になりました。

この程度のプレート1枚作るのに2日かかりました。
ロータリーテーブルという慣れていない機械を使ったせいでしょうか。
もつと腕を磨いて速くできるようにしたいです。
そのためには数をこなして経験を積むしかないですね。



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