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3爪チャックの構造

2013年2月16日

  

これは旋盤についていた3爪チャックです。
最も一般的なチャックで主に円柱形の材料を加工する時に使います。
オートセンター型またはスクロール型(渦巻きという意味です)といって3個の爪が常に同時に動きます。
その動きにより材料のセンターは常にチャックのセンター(すなわち回転軸のセンター)と一致するようになっています。チャックを締めるハンドルの穴は3箇所ありますがどの穴を使って回しても同じように3個の爪が連動して動きます。
爪には正爪と逆爪の2種類があり交換可能です。
正爪は径が小さい材料に、逆爪は径の大きい材料に使います。
写真は正爪が付いた様子です。
材料は通常爪の内側に挟むように固定します。
パイプ等大きな穴のある材料の穴の内側から広げる方向に掴む事もできます。
爪が階段状になっているのはそのためです。
爪が連動して動く仕組みはこうです。
爪の奥にレールのついた円盤があります。
ハンドルを回すとこの円盤が回転します。
このレールはちょっと分かり難いですが同心円状ではなく渦巻き状になっています。
円盤が回転すると中心からレールまでの距離が変わります。
レールの移動に伴って爪が同時に動く訳です。
レールが渦巻き状になっているところがスクロール型とも呼ぶ理由だと思います。
レールの付いた円盤の裏側はこうです。
ハンドルを回すとギヤ機構によって円盤が回る訳です。
ここで使われているギヤはかさ歯車(ベベルギヤ)と呼ばれているギヤです。
ギヤの形が傘に似た形状からかさ歯車と呼ぶ理由だと思います。
このギヤは回転軸が直交しているのが特徴です。
通常のギヤでは回転軸は平行しています。
レールと噛み合う歯の部分はこうです。
歯の位置が少しづつヅレています。
爪が取り付けられる位置(角度)が異なっても中心からの距離が皆同じになるようになっています。
うまくできていますね。
この爪は正爪と呼ばれている爪です。
こちらは逆爪といってより径の大きい材料を掴む時に使われます。
逆爪は階段の形状が正爪の逆になっています。
こちらは逆爪を付けた様子です。
大きい径の材料が掴めます。


以上、チャックの構造を見て来ました。
普段、中を見るという事がないでしょうから上記の写真が参考になれば幸いです。


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