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オープンリールデッキ

TEAC X-10Rベルト交換

2014年3月8日

X-10Rの2号機はキャプスタンベルトが破損していてキャプスタンが回らず録音・再生のテストができません。
キャプスタンベルトを交換して見ます。
ベルトは注文してありますがまだ届かないのでX-10Rの3号機から外します。
左の写真は3号機のキャプスタンモーター付近です。
キャプスタンモーターを取り付け板毎外しました。
これがキャプスタンベルトです。
交換したものらしくまだ新しいです。
こちらは2号機のキャプスタンプーリーです。
ダブルキャプスタンなので2個あります。
回転むらを除去するためフライホイールにもなっています。
ベルトは付いていませんでした。
ベルトが解けてべっとりした写真をネツトで見ましたがその様子もありません。
切れたベルトが内部に落ちていないか探しましたがありませんでした。
前の所有者がベルトの破損を見つけて外したものと思われます。
3号機から外したベルトを2号機に取り付けました。
ベルトの取り外しと取り付けで1時間くらいでできました。
奥の方に位置しているのでもっといろいろ外さなければ交換できないかと思いましたが割と簡単でした。


2号機にテープを取り付けて再生して見たら録音、再生できました。
ただ、テープがだんだんずれてピンチローラーから外れてしまうという現象が発生しました。
この現象は3号機にもありました。
供給側のリールを触ってテンションをかけるとズレなくなります。

テープのズレはどうすると直るか問題です。
キャプスタンがテープのカスで汚れているのでとりあえず掃除してみようと思います。
それで直らなかったらWebを探しまくって手がかりを見つけようと思います。
アンプ系統の故障がなくてよかったです。

テープがキャプスタンからずれる原因が分かりました。
キャプスタンベルトのかけ方に問題があったようです。
ネットを探していたら左の資料が見つかりました。
3号機が上の図のようになっていたのでそれに合わせたのがいけなかったです。
このかけ方はX-10M用です。
前の所有者が間違えたのだと思います。
X-10Rの正しいかけ方は下の図のかけ方です。
モーターも1箇所ワッシャーを入れて傾ける必要があるようです。

この図に従って直したらテープがズレなくなりました。
割と簡単に直りました。
いい音が出るようになりました。
ベルトは回転方向が変わるとフライホイール上の位置が変わります。
フライホイールは左右同じではなく小さい山があってその部分だけ直径がわずかに太くなっています。
その山は左右で違う位置にあります。
回転方向によってフライホイールの片方だけベルトが山に乗ります。
そしてわずかに遅く回る構造です。

巻き取り側キャプスタンが速く回り、供給側キャプスタンが遅く回ることでテープに常にテンションがかかった状態になるようです。
修理前の2号機でテープがキャプスタンとピンチローラーの外にずれたのはキャプスタンの速度差が逆になっていたためテープが緩んでいたためと判明しました。
回転方向によってベルトの位置を強制的に移動するための特別なガイド機構はありません。
ベルトの位置は自動的に変わるのです。
キャプスタンの軸に対してモーターの軸が傾いているからそうなるのでしょう。
例えばキャプスタンモーターについているプーリーが車の前輪、キャプスタンベルトが道路の走行車線と考えます。
前進の時、車は前輪が向いている方向に動きます。
キャプスタンの場合、モータープーリーが軸方向に固定されていますのでベルトの方が動く訳です。
逆転の場合は当然逆方向にベルトが動く訳です。
うまくできていますね。

2号機再生中の動画です。
曲はザピーナッツの恋のバカンスです。
ちゃんと再生できるようになりました。


ここで豆知識をひとつ。

オープンリールデッキの事を英語ではReel to Reel Tape Deckと呼ぶらしいです
Youtubeの動画を検索すると外人はみんなそう呼んでいます。
確かにリール to リールの構造ですが・・・。

カセットだって中はリール to リールなんだけどねー。
治ったと思ったのですが1曲終わると回転ムラが出るようになりました。
どこが悪いのか点検している内に徐々に回転が弱くなり最後には止まってしまいました。
左がキャプスタンモーターとコントローラです。
モーターはDCモーターで回転速度を電圧でコントロールしているようです。
モーターとコントロール基板のどちらかが悪いです。
モーターを3号機に接続して見たら回りました。
悪いのはコントロール基板であることが分かりました。
同じ機種を複数台持っているので部品を交換すればどの部品が悪いのかが簡単に分かります。

コントロール基板の中で怪しいのは中央に見えるJRCのIC、NJM2903Dです。
デュアルコンパレーターICです。
これを替えてみましょう。
手持ちがないので名古屋の大須にある第2アメ横まで買いに走りました。
車で往復2時間はかかりますが日曜日なので行って来ました。

古いICでもう生産はしていないと思いますが店にはありました。
家に帰って早速このICを交換し手見ました
直りました。
キャプスタンモーターが力強く回転するようになりました。
1件落着です。
2号機が正常に動くことが確認できたのでベルトを3号機に戻して3号機の再生テストをしました。
正常に再生できました。
曲は舟木一夫さんの「ああ青春の胸の血は」です。


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